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COLUMN
ふるさとテレワークで場所を選ばずに働く!課題や補助金制度を解説
2020年06月09日
時間や場所を選ばない働き方であるテレワーク。通勤にかかる時間を削減できるため生活面の充実が図れ、仕事上のストレスが緩和されるなどのメリットがあります。しかし、近年ではさらに柔軟な働き方を実現できる「ふるさとテレワーク」が総務省で推進されています。
今回は「ふるさとテレワーク」の目的やメリット、補助金制度などを解説していきます。
総務省が進める「ふるさとテレワーク」とは?
ふるさとテレワークとは、生まれ育った地域や、自然に囲まれた土地でテレワークをする働き方です。従来のテレワークの考え方は、自宅は会社に通える圏内に構え、必要があれば出勤できることでした。そのため、第三次産業が盛んな都市部に住む人はテレワークで働くことが容易で、第一次産業が盛んな地方では、テレワークで働くことは難しいという状況でした。
しかし最近では、様々な生活スタイルでも対応できる「ふるさとテレワーク」が注目されるようになってきました。
ふるさとテレワークの目的
ふるさとテレワークの目的は次の通りです。
地方創生
都市部への人口流出に歯止めが掛かっていない現状があります。地方では若者が就きたいと思う仕事が少なく、都市部に出ざる負えません。
ふるさとテレワークを推進することで、人口流出をストップさせ、地方で働く人たちのワークライフバランスを向上と安心して働ける地方を目指しています。
人材の確保
高齢化社会により、労働人口が減少していることも理由に挙げられます。
都市部での仕事を退職し、育児や介護のため故郷に住んでいる方を採用できるようにすることで、地方に散らばる人材を確保しやすくなります。
ふるさとテレワークのメリット
ふるさとテレワークの主なメリットは次の通りです。
従業員の子育て支援、介護支援
子育てや介護のために地方に住んでいる方が、安心して仕事と両立できる体制を確保しやすくなります。
企業としても、子育て支援や介護支援に取組んでいるとアピールすることができます。
人材の確保
子育てや介護のために退職をするケースを減らすことができます。
また、地方の人材を積極的に雇用することができますね。
従業員のモチベーションの向上
地方で、しかも自宅や近場のオフィスで勤務できることでワークライフバランスが向上します。
働く時間を選ぶことができるため、子供の行事に参加しやすくなりますし、自分や家族の用事を済ませる時間の確保が容易になります。
ワークライフバランスの充実が従業員のモチベーションを向上させます。
ふるさとテレワーク補助金制度の概要
ふるさとテレワークの普及を図るため、総務省では導入する企業や地方自治体に補助金制度を設けています。
平成30年度は全国で7件の機関が採択されており、公募は次のようになっています。
平成30年度予算ふるさとテレワーク推進事業に係る提案の公募
・公募事業
地方のサテライトオフィス等のテレワーク環境を整備するための費用の一部を補助する事業
・公募対象者
地方公共団体、民間企業等からなるコンソーシアムの代表機関
・補助金の交付額
定額(上限 3,000 万円)
採択候補先の選定等
【選定方法】
書類審査の後、外部有識者による評価会を開催し、結果に基づき採択候補先を選定する。
必要に応じてヒアリングを実施することがある。
【選定のポイント】
1、本事業の目的に対する適合性
ワークライフバランスの向上に繋がり、グループウェアの導入など都市部の仕事を地方でも円滑に実施することが可能であること。
2、本事業を遂行する能力
本事業を遂行する人員・体制、協力体制が整えられており、資金計画や事業スケジュールに無理なく効率的に組まれていること。
3、本事業の効率性
過大な経費が計上されておらず、高い費用対効果が見込まれること。
4、本事業の費用分担の適切性
過去にICTを活用した取組がある場合、その成果を生かしていること。
ふるさとテレワーク導入には様々な課題も
ふるさとテレワーク導入の課題には次のものが挙げられます。
通信回線の確保
企業では光回線を使用している事業所が多いですが、在宅では費用の面から低速回線を使用している場合があります。
費用の面が解決できても、地方では光回線が通っていない場所も。
セキュリティ問題
サテライトオフィスでは、ICT技術の向上でセキュリティ問題を解決できる場合が多いです。在宅の場合は個人の意識による部分が多いため、個人情報を扱う業務は在宅で行わせない企業もあります。問題はコワーキングスペースと呼ばれる、複数の企業の人材が集まるスペース。
画面を覗き見される可能性もあるため、コワーキングスペースの利用者には機密保持契約を結ばせるなどの対策が必要になります。
勤怠管理
ふるさとテレワークでは、従業員の勤務実態が見えにくくなります。
勤務時間はICTツールで管理していくは可能ですが、「在宅勤務をさせてもらっている」という心理から、本当は働いているのに勤務していないことにしてしまうケースがあってはなりません。経営陣、会社で働く従業員一人一人がふるさとテレワークに対して理解を深めていく必要があります。
ふるさとテレワーク導入事例
総務省ホームページに掲載されている「ふるさとテレワーク」の導入例を紹介します。
奈良県三郷町
平成28年度予算「ふるさとテレワーク推進事業」を活用してオープンしたのが、『奈良サテライトオフィス35(さんごう)』。
企業スペース、個人スペース、コワーキングスペースが備わっています。大阪都市圏に1時間かけて通勤する住民も多く、三郷町で働く場所を増やしたいとの考えから、テレワークセンターが作られました。
まとめ
ふるさとテレワークは、地方の創生やワークライフバランスの充実を図るためにも重要な政策です。
地域が活性化されることが、企業にも利益を生むことを考え、積極的にふるさとテレワークの理解を深めていきましょう。
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