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フリーアドレスとは?オフィスの新しい形

2021年01月25日

「フリーアドレス」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、正しい意味をご存知ですか。
アドレスと言っても、無料で使えるメールを受信するもののことではありません。
この記事では、オフィスでのフリーアドレスとは何か?
その正しい意味やフリーアドレスのメリットとデメリットについて解説します。

フリーアドレスとは?

フリーアドレスとは、社員が自由に自分の働く席を選んで仕事をする新しいオフィススタイルです。
そのため従来のオフィスのように、社員一人一人に決められた位置があり、各自専用のデスクがあるわけではありません。
フリーアドレスを導入している会社では、1人用デスクではなく、長いデスクが設置されていたり、ソファが置いてあったりするところもあります。
従来のオフィススタイルとは異なり、自分の働きたいスペースを自由に選んで仕事ができます。
オフィスというよりも、街角にあるカフェのような印象を受ける会社もあります。
自由に着席して仕事をするため、主にノートパソコンや無線LAN、タブレット端末で仕事をする会社での導入例が多く見られます。
使用するノートパソコンは誰でも使用できるように貸し出しになっていたり、オフィスのどこでもインターネットに接続できるようにWi-Fiを導入していたりする会社もあります。

フリーアドレスの発祥は

フリーアドレスというと、米国の最先端のIT会社が採用しているイメージがあります。
しかしフリーアドレスの発祥地は、意外なことに日本です。
1987年にとある研究所のオフィスで、試験的にフリーアドレススタイルが導入されました。
その後次々に他の企業が導入し、フリーアドレスが広がっていきました。

当初は浸透しなかったフリーアドレス

しかし従来のオフィスでは、自由に移動するための障害が多くありました。
以前はデスクトップパソコンや個別の固定電話が主流で、紙の文書でのやり取りもあり、それらがオフィスでのフリーアドレスの浸透を妨げる原因となりました。
しかし近年、簡単に持ち運びできるノートパソコンやタブレット、スマートフォンが普及し、やり取りもメールが主流になるなど電子化が進みました。
そこで再度、フリーアドレスが職場の新しいワークスタイルとして注目されたのです。
フリーアドレスが導入された当初の目的は、ペーパーレス化などのコスト削減でした。
しかし近年フリーアドレスを導入している会社では、従業員の自主性と自由な働き方を推進する目的でフリーアドレスを取り入れています。

フリーアドレスオフィスのメリット

会社にフリーアドレスを導入することで、以下のようなメリットがあります。

・異なる部署や部門でのコミュニケーションが生まれる
・仕事の生産性がアップする
・新たなプロジェクトチームを組みやすい

オフィス内で自由に働く場所を選べることにより、部署や部門の壁を超えてコミュニケーションが生まれます。
定位置では関わることができないメンバーとつながることで、新しい発想やコラボレーションが起こりやすくなります。
同じ位置で同じ作業をするのではなく、毎日の変化が新しいアイディアを生み出すきっかけとなるからです。
さらに、働く従業員の自主性も育まれます。
「決められた机と定位置」という会社の方針に従うスタイルから、従業員自らが働く場所を自由に決める選択肢があるからです。
さらにフリーアドレスにより、オフィス環境の改善にもメリットがあります。

・スペース削減によるオフィスのコンパクト化
・電子化によるペーパーコスト削減
・デスク周りが整理整頓される
・テレワークへの移行が容易

個別のデスクの設置が不要になるため、オフィスは従来よりも省スペースで済みます。
伝達手段は紙から電子化が主流になるため、紙ベースの書類の削減、収納場所の問題もなくなります。
そして専用のデスクがないために、私物がデスク周りに散乱するといった事態も防ぐことができます。
近年推進されているテレワークも、フリーアドレスのオフィスでは容易に移行できます。

フリーアドレスオフィスのデメリット

一見するとメリットが多いように見えるフリーアドレスですが、いくつかデメリットもあります。
導入を検討している場合は、欠点も踏まえて判断する必要があります。

集中する作業には向いていない

コミュニケーションが気軽にしやすい一方で、1人で黙々と集中して作業するのは難しいです。

新たなマネジメント方法が必要

従来のオフィスでは、固定席だったので部下の仕事の進捗度など管理しやすい環境でした。
しかしフリーアドレスでは、従来のマネジメント方法では対応が難しい場面が多々あります。
例えば部署や部門ごとの業務連絡や報告などがしにくいため、グループごとの結束力が希薄になりがちです。
他にも従業員に自由な選択権があるために、集団意識が育まれにくく、会社の帰属意識の低下につながる可能性もあります。
新しいワークスタイルに合わせて、新しいマネジメント方法を模索していかなければなりません。

導入コストがかかる

ノートパソコンへの変更や新たなモバイル機器の購入など、初期段階でコストがかかります。

収納の問題がある

個々の荷物置き場がロッカーなどに制限されるため、不便を感じることがあります。
自由に移動して仕事するためには、個々の荷物を最小にすることと軽量化が課題です。
業務上荷物の量が多い部署の場合は、導入が難しいケースもあります。

フリーアドレスの導入は慎重に

上記のメリットデメリットを踏まえると、フリーアドレスオフィスには業種や部門によって向き不向きがあります。
セキュリティの安全を求められる情報を取り扱う業務や、少数精鋭で専門的な業務を行う場合などは従来の方法が向いています。
反対に部署や部門を超えたコミュニケーションや、クリエイティブな発想が求められるような会社では、フリーアドレスが適しています。
自分の会社に適しているか慎重に検討した上で、新しいワークスタイルを取り入れてみましょう。

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