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電話線をLAN回線に変換することは可能?

2021年01月29日

インターネットを使うためには、新しく配線を引いて工事しなければならないのでしょうか。
それとも、今ある電話回線を利用して接続することは可能なのでしょうか。
インターネットに不慣れな場合、分からないことが多すぎて、何から手をつけていいか迷ってしまうことでしょう。
この記事では、電話線とLANの違いや、電話線をLAN回線に代用する方法などを解説しています。

電話線をLAN回線に変換することは可能?

電話線とLAN回線それぞれの特徴

そもそも、電話回線とLAN回線とは何なのでしょうか。
両者の特徴について見ていきましょう。

電話回線とは

電話回線とは、固定電話と電話交換機を結ぶ伝送路のことで、「声を運ぶ線」とイメージしていただくとよいでしょう。
以前は、電話回線というと「アナログ回線」と「デジタル回線」の2種類でしたが、現在は「ISDN」「光ファイバー」も加わり、3種類の電話回線があります。
電話回線は別名モジュラーケーブルと呼ばれ、ケーブルの両端に電話端子が付いています。

電話線は端子が6つありますが、端子に接続する芯線の違いにより3つの種類があります。

・6極2芯
電源供給の線も兼ねている種類で、一般家庭にも多く普及しているタイプ。
電話線の配線のうち、中央の2本のみを使用します。
簡易的な電話機の場合は、電源をつながなくても問題がありません。

・6極4芯
「6極2芯」タイプの配線を4本に増やした電話線。
内線や受付用電話を利用する会社で利用されています。
社内の内線に対応するために線が多くなっていますが、近年は内線利用ができる「6極2芯」タイプの電話機が増えました。

・6極6芯
電話線の6つの端子すべてに、芯線が接続されているタイプ。
住宅のインターホンの場合、電話機を親機代わりに使うケースもあり、このような場合は6極6芯のケーブルが使われていることがあります。
ただ、昨今はカメラ付きインターホンの普及により、専用の親機で対応するタイプが増えてきています。

LAN回線とは

LAN回線は別名LANケーブルと呼ばれる有線で、インターネット接続をするために必要です。
パソコン同士やプリンターなどの他の機器をつなげてネットワークを構成することができます。
LAN回線にもさまざまな種類がありますので、特徴を押さえておきましょう。

コードの太さや構造の違い

本来のLAN回線は、8線のケーブルが内部に組み込まれていて、太くなりがちです。
しかし、太い回線は取り扱いにくいこともあり、昨今は下記の4種類の太さが主流となっています

・極細
線の太さを抑えており、柔軟な配線に対応できます。
ノイズには弱いので、一時的な使用などに向いています。

・フラット
内部の線を横並べにし、太さを抑えています。
収納・配線がしやすく、持ち運びも便利です。
一方で、ノイズの影響は受けやすい傾向があります。

・STP
配線の外側に「シールド」と呼ばれる金属を巻いて、ノイズの影響を抑えたケーブルです。

・ツイストペア
ノイズの影響を小さくするため、対応する線同士をねじり合わせているケーブル。
そのため、線自体は太くなっています。
メリットは「信号が弱くなりにくい」「長い距離の配線などに適している」という点です。

結線による分類

LAN回線には、「線の両端をつないだもの(ストレートケーブル)」と「対応する結線を入れ替えたもの(クロスケーブル)」があります。

・ストレートケーブル
市販されているケーブルのほとんどは、ストレートケーブルです。
両端を同じ端子に配線しています。

・クロスケーブル
片方の端子の配線を入れ替えているケーブルのこと。
かつては、パソコン同士を直接つなぐ場合に、使われていたケーブルです。
LANケーブルの分岐に必要な「ハブ」と「ルーター」の接続時に使用されていました。
現在は、機器が進化したこともあり、ケーブルを入れ替えずに配線できるようになっています。

通信速度規格での分類

見た目ではわかりにくいですが、ケーブルは対応する通信速度に違いがあります。
通信速度はカテゴリー(CAT)の数値で分類され、ケーブルに印字されていることも。
現在は、6~7Aのケーブルが多く使用されています。

ちなみに、カテゴリー6の場合、最大対応規格は「1000BASE-TX」、最大通信速度は「1Gbps」、最大伝送帯域は「250MHz」です。
カテゴリー7Aの場合は、最大対応規格は「10GBASE-T」、最大通信速度は「10Gbps」、最大伝送帯域は「1,000MHz」となっています。

LANとLAN回線は別物

LANとLAN回線(LANケーブル)は、似ていますが意味は違うので注意しましょう。
LANは「Local Area Network」の略で、オフィスなどのような限られた範囲で、コンピューターや通信機器などをケーブルや無線電波などで接続し、文書などを相互にデータ通信できるようにしたネットワークを表します。
ネットワークを作るために必要なものが、LAN回線(LANケーブル)です。

電話線とLAN回線の違い

電話線もLAN回線も、ケーブルの両側にプラスチックのコネクタとツメがあります。
そして、差し込み口に挿入すると、カチッと音を立てて接続ができます。
両者は形状こそ似ていますが、中身は異なりますので、違いをしっかり押さえておきましょう。

ケーブル内の配線数が違う

電話の音声も、パソコンデータも、情報は電気信号に変換され、電話線・LAN回線を通して伝わっていきます。
しかし、電話の音声とパソコンのデータでは、データの量が違いますよね。
このデータ量によって、必要な線の数が異なってくるのです。

電話の場合は、2線または4線が基本です。
一方でLAN回線では8線を使用します。
パソコンのデータ量が多い分、たくさんの線を使用することが分かりますね。
ちなみに、電気信号を送るため、線の数は偶数が基本となっています。

コネクタの大きさが違う

電話線やLAN回線の両端にある部分がコネクタです。
コネクタは接続に不可欠な部品で、簡単に外れないようになっています。
よく見ると、上部につめ状の突起があり、その部分を押さえないと抜けない仕組みになっています。

コネクタ自体は電話線・LAN回線にありますが、コネクタの大きさは違います。
そのため、それぞれを代用することはできません。
電話線のコネクタは「RJ-11」という規格で、6つの配線が可能です。
LAN回線のコネクタは8つの配線が可能な規格で、電話線よりも大きなコネクタとなっています。

電話線はLAN回線に変換可能?

電話線とLAN回線は、内部の配線が異なるため、基本的には別のケーブルです。
しかし「電気信号が通るもの」という点は一致しています。
そのため、専用のコネクタを使用することで、電話線の一部の置き換えは可能になるのです。

注意点は、ネットワークを構成するLAN回線内に電話線の信号を混ぜないこと。
混ざると故障の原因になるので、専用のケーブルを用意して、ほかのLAN回線と区別しておく必要があります。
LAN回線に変換してインターネットに接続することができる電話線は、3種類あります。

アナログ電話回線

昔から家庭にある一般的な電話回線で、音声を直接相手に伝達する回線です。
見分け方は、受話器から「ジジジ」という音がする場合はアナログ回線ですが、毎月の明細書でも確認できます。
この回線を利用してインターネットを使用する場合は、通信速度が遅く、料金が高額になってしまいます。
さらにアナログ回線では、インターネットを使用している時は電話を使うことができません。

デジタル電話回線(ISDN回線)

アナログ回線と同じく銅線を使用していますが、音声データをデジタル信号に変換して伝達します。
アナログ回線と異なり、1つのデジタル回線で電話とインターネット2つの同時利用ができます。
そのため、電話をしながらインターネットを使って検索することができます。
ネットサーフィンでサイトを見る場合は、少し遅いと感じるくらいのスピードです。

ADSL回線

上記2つと異なる電話回線で、メタルケーブルを使用した高速デジタル回線です。
ADSLはAsymmetric Digital Subscriber Lineの略称で、従来の電話回線を利用してインターネット通信を行う方法です。
電話回線の中でも普段使用していない周波帯にデータを送ることで、アナログ回線などに比べて高速でインターネット通信を行うことができます。
インターネット料金も、割安に使用できるものの、基地局から離れた場所では通信が不安定になる欠点があります。

インターネット接続可能なその他の回線

インターネットの接続は、電話回線以外でも使用できます。
今後インターネットを使用する上でも判断材料になるため、知識として理解しておくと便利です。

テレビ回線

地元にケーブルテレビ局がある場合、ケーブルテレビのインターネットサービスに加入することで、テレビの回線を使用してインターネットに接続することができます。
すでにケーブルテレビに加入しているのであれば、インターネットの接続も同時に行うことで料金をお得にできるでしょう。

光回線

インターネット通信で一般的な方法が、光ファイバーケーブルを使用した光回線です。
光信号に変換することで、高速で通信を行うことが可能です。
基地局の距離とは無関係に、どんな環境でも安定して高速通信を行うことができます。

電話回線をLAN回線に代用するためには?

当たり前のことですが、電話回線(モジュラーケーブル)をそのまま使用しても、インターネットに接続することはできません。
電話回線をLAN回線へ変換するためには、専用の道具や作業が必要になります。

モデムとLANケーブルで変換する

電話回線をLAN回線に変換するためには、モデムと呼ばれる機器とLANケーブルが必要です。
モデムに電話回線(モジュラーケーブル)をつなぎ、そこからLANケーブルを接続することで、その回線がLAN回線に変わります。
ちなみにモデムとは、アナログ信号をデジタル信号に変換する機器です。
電話回線のアナログ信号を、デジタル信号に変換することでインターネット通信が可能になります。

モデムはどこで手に入れるのか?

電話回線をLAN回線に変換できるのが分かったら、必要な機器はどこで手に入れるのかが問題になります。
モデムを手に入れるためには、家電量販店ではなくプロバイダーと呼ばれる回線業者との契約が必要になります。

プロバイダーと契約することで、専用のモデムが送られてきます。
モデムはそれぞれの回線業者の仕様となっているため、家電量販店などで一般的な販売はされていません。
インターネット初心者の場合は、プロバイダーと契約する方が簡単なのでおすすめです。
LANケーブルは家電量販店で販売していますが、プロバイダーと契約することで、両方ともセットで付いてくるので自分で購入する必要はありません。

契約後どのくらいで使えるか

プロバイダーと契約してから最短で数日、長くとも2週間程度でインターネットに接続することができます。
オフィスの開設日に合わせて、早めに申し込みをしておくと良いでしょう。

まとめ

以上、電話線とLANの違いなどの基礎知識、電話線をLAN回線に代用するための具体的な流れについて解説しました。
電話線とLAN回線は、ともに「電気信号が通るもの」ですが、構造には違いがあります。

コネクタの大きさも、LAN回線の方がひと回り大きくなっているため、代用する場合は変換コネクタが必要です。
既存の電話線を利用する場合はモデム等も必要なので、業者への確認も忘れずに行いましょう。
当社では、オフィスのネットワーク工事・構築、電話配線工事を実施しています。
快適なネットワーク環境を整えたい場合は、ぜひご相談ください。

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