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VPN接続ができないときの対処方法を詳しく解説!
2021年02月16日
最近のテレワークの普及にともない、自宅などからでも安全に社内情報を管理できるVPN(Virtual Private Network)が注目を集めています。
多くの企業で導入が進んでいるVPNですが、接続できなくなるトラブルが起きることもあるので要注意です。
ここでは、VPN接続ができない原因、接続できなくなったときの対処方法を詳しく解説しています。
すでにVPNを導入している方も、これから導入を検討されている方もぜひ参考にしてください。
VPN接続できない原因
VPNの導入後、しばらくは問題なく使用できていたのに、急に接続できなくなる事例が多く確認されています。
急ぎの仕事をしているときにこのようなことが起きると大変なので、事前に接続できなくなる原因を把握しておきましょう。原因を想定できれば、万が一の場合でも冷静に対処ができて、問題の早期解決につなげることができます。問題の早期解決につなげることができます。
まずは、想定される原因について詳しく見ていきましょう。
原因1:IPアドレスやDNSサーバーが自動取得になっていない
IPアドレスやDNSサーバーの情報を自動取得する設定にしていないと、VPN接続できない可能性があります。
自動取得以外に「手動で取得する」という設定もあるので、手動になっていると自動で割り当てられる情報が無視されてしまいます。
その結果、接続できない状態になります。
手動から自動に変更するには、コントロールパネルを開き「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの状態とタスクの表示」を選びます。
そして「アダプターの設定の変更」→「ローカルエリアの接続」へ進み、プロパティを確認します。
IPアドレスとDNSサーバーの欄を見て「自動取得」になっているか確認してください。
自動取得になっていなければ、チェックを入れます。
原因2:ネットワーク制御ツールをインストールした
OS標準機能に含まれていないネットワーク制御ツールを、パソコンにインストールしていると、接続できないトラブルが発生する可能性があります。
不要なネットワーク制御ツールは、無効化することをおすすめします。
原因3:ダイナミックDNSが正しく設定されていない
ダイナミックDNSの利用時、正常に稼働していないとVPN接続ができない場合があります。
VPN接続対応のルーターか、サーバーの設定が正確にできているか、確認をしましょう。
また、クライアント設定時に、ホスト名・IPアドレスを正確に入力しているかも確認してください。
原因4:認証プロトコルの誤入力
IPsecやPPTPなど、利用する認証プロトコルを誤入力している場合も、VPN接続ができません。
設定ミスによって接続できない場合もあるので、注意しましょう。
ルーター側とPC側の認証プロトコルは合わせるようにし、VPN対応のルーターを設置してください。
原因5:パケットフィルタの設定
パケットフィルタは、通過させたくないパケットを定義することが可能です。
そのため、接続できない場合は、本来通さなければならないIPsecやPPTPで利用するパケットが有効になっていない可能性があります。
必要なパケットについては、フィルタを通過できる設定にしておいてください。
原因6:ファイアウォールの設定
PC側のファイアウォールのブロックによって、pingコマンドが通らず、接続ができないケースも見られます。
この場合、一度ファイアウォールを無効にしてください。
無効にした状態で接続できれば、ファイアウォールが原因であることが確認できます。
原因7:IPアドレスの重複
VPN接続の際に取得したIPアドレスが、プライベートネットワーク(ローカルネットワーク)のIPアドレスと重複することが、まれに発生します。
重複した場合、VPN側ではなくプライベートネットワークにアクセスしてしまいます。
そのためVPN接続ができません。
この場合、ネットワーク接続でVPNを優先するように設定する必要があります。
VPN接続できないときの確認事項
突然VPN接続ができなくなったら、まずIPアドレスやDNSサーバーの設定状況を確認してください。
特殊なネットワーク制御ツールを利用していたケースでは、それを無効化することで改善されることがあります。
また、プロバイダから動的に割り当てられるIPアドレスが変更になった際に、固定のホスト名でつないでくれるサービスである
「ダイナミックDNS」を使用している場合は、それが正しく機能しているか確認してみましょう。
ダイナミックDNSがきちんと設定されていないと、VPNへ接続できなくなってしまいます。
VPNが接続できない原因としては、LANケーブルがきちんと接続されていないことも考えられます。
機器が破損・故障していることもあるので、原因不明な場合はそこを疑ってみましょう。
ネットワークの接続状態が正常で、他に原因が見当たらない場合は、PCを再起動させることで問題が解決することもあります。
VPN接続ができなくなったら、まずはPCの再起動を試みましょう。
次項では、Windows、iPhone、MacでVPN接続できないときの、それぞれの対処方法を詳しく紹介しています。
WindowsでVPNが接続できないときの対処法
Internet ExplorerのWindows7以降であれば、以下の方法を試してください。
手順1
まずは「スタート」「コントロールパネル」「ネットワークの状態とタスクの表示」の順に開いてください。
手順2
次に左側メニューの「アダプターの設定の変更」に進み、「ローカルエリア接続(イーサネット)」を右クリックして「プロパティ」を開いてください。
手順3
次に「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」をクリックして、下にある「プロパティ」をクリックしてください。
手順4
「IPアドレスを自動的に取得する」「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」にチェックが入っているか確認してください。
iPhoneでVPNが接続できないときの対処法
iPhoneでVPNを利用していて接続ができなくなったら、以下を確認して対処してください。
接続プロトコルの確認
iPhoneでは「IKEv2」「IPsec」「L2TP」の3種類のVPNプロトコルの利用が可能ですが、どれを利用しているか確認してください。
設定画面から「一般」「VPN」と移動すれば、VPN接続の一覧が表示されます。
表示されたVPNをタップすれば、設定されているプロトコルを確認できます。
また、以前には「PPTP」接続も利用することができていましたが、iOS10以降のバージョンではセキュリティの問題から利用不可となっています。
そのため、OSをiOS10以降にアップデートすると接続ができなくなります。
その場合は、設定画面から「一般」「VPN」と移動して、「IKEv2」「IPsec」「L2TP」のどれかに変更すれば、ほとんどの場合は接続可能になります。
接続するVPNサーバーがPPTPでしか接続できない場合は、サーバー側の設定を変更しなくてはいけません。
Wi-Fiの確認する
Wi-Fi経由でVPNを利用している場合は、Wi-Fiの接続状況を確認してください。
Wi-Fi接続をリセットすることで、問題が解決することもあります。
接続情報を再設定する
VPNの構成設定を保存するときに、認証項目に誤った情報を入力すると、後で正しい情報に入力し直しても接続ができなくなることがあります。
その場合は、登録したVPN構成設定を削除して再登録するにより問題を解消できます。
最新のiOSにアップデートする
iPhoneのiOSは不定期にアップデートされていますが、バージョンアップによりシステムの挙動が変化することがあります。
VPN接続ができなくなった場合は、最新のiOSにアップデートすることで改善されるケースもあります。
ルーターの設定の確認
ルーターの設定が原因でVPN接続できないこともあります。
iPhoneの接続設定が正しい場合でも、ルーターのファイアウォールでVPN用のポート開放が行われていなければ、セキュリティで弾かれます。
利用しているプロトコルや環境などによって、開放に必要なポート番号が異なります。
サーバー側に問題がある
サーバー側に問題があり、接続ができないこともあります。
他のVPNに接続してつながれば、サーバーに問題があることが分かるので、その場合は時間をおいて再起動してみましょう。
MacでVPN接続できないときの対処法
MacでVPN接続できない場合は、Windowsとは異なる独自の対処法が必要となります。
Macのネットワーク接続には優先順位が設定されているので、VPN接続できない原因は優先順位が低く設定されていることにあるかもしれません。
「システム環境設定」の「ネットワーク」画面を開いて、一覧を確認してみましょう。
優先順位は低いと一覧の下の方に表示されているので、その場合はリストが表示されている欄の下にある歯車マークより
「サービスの順序を設定…」の項目を選択して、「VPN」を上に設定し直しましょう。
設定方法の確認
MacのVPN接続設定を確認するには、「システム環境設定」より「ネットワーク」「左下にある+ボタン」と進み「VPN」ウインドウを開いてください。
サーバーアドレスとアカウント名の項目に正しい内容が入力されていることを確認しましょう。
利用するVPNサーバーによって、ユーザ認証やコンピュータ認証、スクリプトのルーティング情報などを確認する必要があります。
ルーターの設定確認
スマートフォンのテザリング機能やポケットWi-Fiでは接続できるのに、自宅の固定回線での利用ができない場合は、
ルーターに問題がある可能性が高いです。
ルーターのセキュリティ設定などを確認しましょう。
「システム環境設定」より「ネットワーク」「Wi-Fi」「詳細」の順に進み「TCP/IP」にあるルーターの
IPアドレスをブラウザに入力すれば、ルーターの設定画面を表示できます。
VPNの接続が遅い・途中で切れる場合はどうする?
VPN接続はできたものの「接続が遅い」「途中で接続が切れてしまう」というトラブルが起きることもあります。
その場合はどのように対処すべきなのか、見ていきましょう。
VPN接続が遅い場合
ウイルス対策ソフトやファイアウォールの影響によって、接続が遅くなっている可能性があります。
まずはソフトやファイアウォールを無効にして、解消できるか試してみましょう。
また、接続の遅さはインターネット環境の低下の影響も考えらます。
その場合は、近いVPNサーバーの利用、有線接続によって改善できる可能性があります。
その他、VPNルーターやサーバーのスペック不足の可能性もあります。
スペック不足の場合は、他のルーターやサーバーへの変更も検討してください。
VPN接続が途切れる場合
接続が途切れる場合も、ウイルス対策ソフトやファイアウォールが影響している可能性があります。
一度、無効にして原因となっているのか確認をしてみましょう。
その他、Webサイト内の動画・画像が重いと接続が途切れてしまうことがありますし、同じ回線の利用者が多いときにも、接続が途切れやすくなります。
「VPNの接続を切っているのに、途切れる」という場合は、インターネット環境そのものを見直すことが必要でしょう。
まとめ
VPN接続を利用することで、インターネット上で安全に拠点間の情報をやり取りできます。メリットが多くありますが、VPN接続ができないトラブルに直面することもあります。
円滑に業務を進めるためにも、VPN接続ができなくなる原因や対処法を、把握しておきたいですね。
「ネットワークに詳しい従業員がいない」など、オフィスのネットワーク環境でお困りの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。
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