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A工事・B工事・C工事の違いは?オフィス工事に欠かせない基礎知識

2021年03月24日

オフィスを移転する際には、ほとんどの場合、内装工事が必要となります。
その場合は、工事費用を誰が負担するかによって移転にかかる経費は大きく変わってきます。
ここではオフィス移転の費用に関わる「A工事・B工事・C工事」について、それぞれの工事の違いや内容などを詳しく解説しています。

A工事・B工事・C工事の違いは?オフィス工事に欠かせない基礎知識

A工事・B工事・C工事って何?

A工事・B工事・C工事というのは、工事の区分のことです。
分かりやすく説明すると、誰が工事を発注し、誰が業者を選定して、誰が費用負担するかの区分です。
以下が、工事区分の内容をまとめた表です。

発注者 工事業者選定者 費用負担者
A工事 オーナー オーナー オーナー
B工事 入居者 オーナー 入居者
C工事 入居者 入居者 入居者

工事区分をきちんと決めておかないと、オーナーと入居者間でトラブルが発生する可能性を高めてしまいます。
そのため、工事区分を3つに分けて、「発注」「工事業者の選定」の権限と「費用負担」の責務を明確にしています。
オフィスを借りる入居者は、賃貸契約を交わす前に必要になる工事を確認し、それがどの範囲で行われるのかを確認しておかなくてはいけません。
それをしっかり行うことで、こんなはずではなかったという余計な問題に巻き込まれる可能性を排除できます。
また、入居時にはトラブルが起きなくても、オフィスを退去する際には入居者が原状回復工事の義務を負うケースがほとんどです。
このときも工事区分が関わってくるので、事前に把握しておくことをおすすめします。

A工事の内容と特徴

表からも分かるように、A工事はオーナーがすべての権限をもち、費用も負担する工事です。

工事内容

具体的な内容は、「建物の外装」「エレベーター」「階段」「排水設備」「消防設備」「屋上」「共用トイレ」などに関わる工事です。
つまり、A工事は建物本体に関係する工事であり、建物を利用している入居者全員が利用する共有部分なども対象となります。

A工事の特徴・注意点

A工事の対象となる部分は、建物全体の資産価値に関係していて、それを保つために行われることから、共有部分も含まれます。
入居者からすれば直接的な関りがない場合もあるでしょう。
ただし、トイレやエレベーターなどの不具合がある場合は、入居者の費用負担なしで修理・修繕してもらえるので、気になる場合は管理会社やオーナーに早めに連絡しましょう。

B工事の内容と特徴

B工事は、工事の要望を出すのも費用負担をするのも入居者ですが、工事を行う業者を選定する権限はオーナーにある、少し複雑な工事区分です。

工事内容

B工事の具体的な内容は、「空調設備」「防水設備」「分電盤」「吸排気」「防災設備」などです。
建物全体の設備や施設で、安全性にも関わり、規制もいろいろあることから入居者が勝手に業者を選定して工事を行うことは許されません。

B工事の特徴・注意点

入居者が自由に業者を選べないことから、工事費用のコントロールが一切できません。
もちろん、どのくらいの費用が発生するかは事前に確認することができますが、オーナー側から請求された金額をそのまま支払わなくてはいけません。
工事業者に発注するオーナー側が値段交渉を行うことはできますが、工事費用を支払うのは入居者です。
工事業者としても、値引きを求められる心配がほぼないことから、B工事は通常の場合と比べて工事費が高くなるのが特徴的です。
例えば、自分で業者を選んで工事を依頼すれば10万円程度で済むのに、15~20万、場合によっては3倍以上かかることもあります。
したがって、どうしても工事費用を抑えたい場合は、オーナー側と真剣に交渉する必要があります。
他の業者から見積りをとって、それをオーナー側に渡して交渉してもらうのもよい方法です。
または、工事内容によってはA工事にしてもらうことも交渉すれば、希望が叶う場合もあります。

C工事の内容と特徴

C工事は、すべてを入居者の責任で行います。
もちろん、無許可で勝手に工事を行うことはできませんので、事前にオーナー側から許可をもらわなくてはいけません。

工事内容

具体的な工事内容は、「照明器具」「電話工事」「クロスの貼替え」「什器備品」「ネット配線工事」「床材の交換」などで、ほとんどが内装工事に関わるものです。
C工事は、原状回復に関わる部分の工事にもなります。

C工事の特徴・注意点

C工事が許されるのは、あくまでもプライベートな空間で、他の入居者や建物全体には影響を及ぼさないのが特徴です。
当然ですが、プライベート空間でも自由に工事を行うことができない部分もあります。
退去時に原状回復できるからという勝手な判断で工事をしてしまうと、損害賠償事件にも発展しかねないので注意が必要です。
B工事とは違って、入居者が工事業者を自由に選定できるので、工事費用を安くできる可能性が高いです。
できるだけ多くの業者から相見積りをとることが、工事費用を抑える秘訣です。
オフィスを移転する際には、C工事の割り当てが多い物件を探すことにより、移転費用全体を抑えられることにもつながります。

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